シルバー新報は11月で創刊から満30年を迎えました。読者の皆さんを始め、取材先や広告のクライアントさんたちからも「30年もよく続きましたね」「これからも頑張ってください」など、温かい言葉を多くいただいています。この場を借りて、感謝申し上げます。そこで本号では、30年間を振り返ってみようという特別企画を。30年前から業界にいた人も、まだ生まれていなかった人も一緒に楽しんでください。
医療も福祉も転換期
まずは社内で大切に保管しているバックナンバーの中から、貴重な創刊号を(写真)。1面トップの記事は、本格的な高齢社会の到来に向けて政府が発表した「長寿社会対策大綱」を取り上げ、将来重要な課題となるものをピックアップしている。
1980年代と言えば、最大の課題は高齢者の長期入院(社会的入院)の解消だった。81年の第二次臨時行政改革推進会議では医療費抑制が国家的な基本路線に位置付けられ、83年の老人保健法施行で無料だった70歳以上の高齢者医療費が廃止に。医療保険制度から別建てにして財源を各保険者が拠出する仕組み、老人保健制度が導入された。老人保健施設が創設されたのもまさにその一環で、医療と日常生活サービスを提供し、病院から在宅への流れをつくる「中間施設」として整備を推進していく方向が打ち出されている。(以下略)
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