ホームレスが路上で販売する「ビッグイシュー日本版」の創刊5周年を記念して都内で7日、イベントが開催された。約800人のホームレスが販売者として登録し、265万冊を売上げ、約3億円が販売者の収入となったという。ビッグイシュー日本の佐野章二代表は、「周囲から“100%失敗する”と断言された事業が続いたのは、想定された障害に真正面から取り組んだから」と振り返る。 昨年から若い販売者が増えてきた。ビッグイシューには全国に約120人の販売者がいるが、今はその1割強を20〜30代が占める。若年失業者120万人、フリーター180万人、ニート60万人にのぼるともいわれる日本社会。「放置すればホームレスの予備軍になる」と、若者たちの支援にも取り組んでいきたいと展望を語った。 「ビッグイシュー」のようにビジネスとして社会的な課題の解決に取り組む事業を「ソーシャルビジネス(SB)」という。「社会を変える仕事」とも「社会を元気にする仕事」ともいえる。日本ではまだなじみがないが、ビッグイシューの本家であるイギリスでは、5・7兆円の市場規模という推計もある。営利が目的だけの事業とチャリティの中間の位置付けで、国をあげて支援しており、取り組み分野も、福祉的な課題から、環境、途上国支援と裾野は広い。
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