厚生労働省は十七日、療養病床再編後の地域での医療・介護体制の「青写真」となる地域ケア体制整備構想を都道府県で策定するための指針案を提示した。三○年後の長期的なビジョンに基づき、介護療養病床が廃止される二○一一年度末の介護保険の施設・在宅サービスや、軽度者向けの「見守りに配慮した住まい」の必要量を算定することを求めた。結果は今後、策定される医療・介護の各計画に反映される。指針を受け、都道府県は今年度中に計画を策定するスケジュールだ。 療養病床が、特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅などに転換する場合の設備基準の緩和など一連の支援策は厚生労働省が三月末までに取りまとめている。また、介護療養病床が廃止になる二○一一年度末の段階で、必要となる医療の療養病床の参酌水準の算定式は十二日に開かれた医療保険部会で提示され、視界不良だった療養病床再編後への道筋が少しずつ開けてきたのが現在の状況だ。療養病床から転換した老人保健施設で医療の必要な患者を受け入れられるようにする方向性が六月にも「介護施設のあり方検討会」で示される見込みだ。 これらを材料に、具体的な将来の地域の医療・介護にわたる横断的な姿を描くのが都道府県の地域ケア整備構想。今後、都道府県が策定する医療費適正化計画、第四期の介護保険事業支援計画、医療計画にそれぞれ反映される。 介護保険施設、介護付き有料老人ホームなど特定施設、グループホームには昨年度から、支援事業計画で定められた必要量以外は新設できないことも認める「総量規制」が導入された。実質的に参入できない地域もあるところから、都道府県が今後をどう見積もるかは、関係事業者の関心を集めそうだ。 |