介護保険制度改正で事業所の更新制が今年度から始まるのを機に、これまでは無料だった事務手数料を徴収する動きが広がっている。事務量が増大するというのがその理由だ。本紙の五月三十日現在の聞き取り調査では、九州全県と沖縄、奈良、広島、高知、香川の一二県で新規の指定申請、更新の申請の際に手数料が必要になる。このほか検討中も八県あり、全国に広がりそうな勢いだ。 ◆手数料有料化、拡大へ 改正介護保険では、これまで無期限だった指定の有効期間を六年とし、事業所が事業を継続する場合は更新手続が新たに必要になった。悪質な事業所を更新時点で排除するのが目的だ。 今年度は、二〇〇〇年四月一日付けまでに指定を受けた事業所が対象になる。施行直前の時期であり、準備のため既存の事業所に加え、新規参入組が指定に動いた。こうした事業所が今年度の更新申請には殺到することが予想されている。 本紙が五月三十日までに全国の都道府県に聞き取り調査を行ったところ、今年度から更新手数料を有料とすることがほぼ確定しているのは奈良・広島・香川・高知・沖縄と九州全県だ。いずれの県もこれまで無料だった新規の申請手数料も有料化に踏み切っている。 最も先行したのは高知で昨年十月からまず新規指定を有料化した。福岡と佐賀については、二月議会での条例制定が間に合わなかったが六月議会には提出される見込みになっている。西日本中心なのは、最も積極的だったされる福岡に「右へならえ」した事情があるようだ。 さらに「周りの状況を見ながら、今年度中に導入可能かを検討している」とした都道府県も八カ所あった。将来的な検討事項とする都道府県も多く、「有料化」は全国的に広がる気配を見せている。(以下略)
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