全国的に救急搬送の問題がクローズアップされる中で、東京都でも出場・搬送件数とも右肩上がりの状況にある。特に高齢者は搬送先確保に時間がかかっており、高齢者施設からの搬送も事情は同じだ。少しでもスムーズに搬送出来るように、東京消防庁調布消防署は高齢者施設に対して入所者の情報を事前に記載しておく「QQカード」を導入している。都内では初の試みだ。1年半経って、救急隊の現場での活動時間が短縮し、施設からの救急要請数も減少するという効果が。救急隊に「お任せ」だった施設側の意識が変わっているようだ。
「調布市でも、老人ホームの入居者は、何カ所もの病院に断られることが多く、救急隊が現場に駆けつけてから搬送するまでに時間がかかっています。一言で言えない様々な要因があります」とは調布消防署警防課。 調布市での施設からの救急搬送の要請数は、07年まで年々増加しており、救急隊が現場に滞在する時間も長くなっていた。 救急活動の円滑化のため調布消防署が中心となり、市内の高齢者施設、市医師会、行政が参加する「調布市高齢者救急業務連絡協議会」を立ち上げたのが07年12月だ。
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